日本名が付いているバラ
明治時代、たくさんに種類のバラが外国から輸入されました。その当時、外国語の名前が日本に馴染まず、外国語の名前から和名を付けられて販売され親しまれていました。
しかし、時代と共にバラの栽培が普及するにつれ、本来の品種名が不明になってしまい、和名との混乱を巻き起こしました。その結果、昭和20年、帝国ばら協会は、和名を付けることを中止することを宣言しました。
しかし、その余韻は今でも残っており、漢字の名前を持つバラの種類は存在しています。では、漢字の名前を持つバラをご紹介しましょう。
漢字の名前を持つバラのまとめ
- 「緋縅(ひおどし)」もしくは「勝鬨(かちどき)」…ヒアワサ(ハイサワ)。日本の小札(こざね)式の甲冑の製造様式を指す縅(おどし)と、クチナシやキハダで下染めした上から紅で染めた紐などで縅すものを緋縅と呼んでいた合戦絡みの名前を由来としています。
- 「櫻鏡(さくらかがみ)」…デュセス・ド・ブラバン。オールドローズの一種で、透明感のあるピンク色をしたサクラをおもわせる色合いをした品種です。乾燥した甘い紅茶のような香りが特徴的です。
- 「陽台の夢」…ポール・ネイロン。普仏戦争で戦死した衛生兵ポール・ネイロンに捧げるバラを由来としていますが、和名の意味の由来は分かっていません。
- 「金碧」…ミセス・A・R・ワッデル。少しオレンジがかったサーモンピンク色をしているため、”金”という名前がついたと考えられています。また、葉や茎とのコントラストを金碧になぞらえていたのかもしれない、という説もあります。
- 「神聖、白章、白金寶」…ホワイト・エンサン。真っ白な花弁が神聖さと結びつけられたのでしょう。
- 「天地開(てんちかいびゃく)」…ラ・フランス。モダンローズの第1号の品種です。この一輪を境に、オールドローズとモダンローズで分類されるようになりました。つまり、ふたつの天地に開かれることになったのが、和名の由来となりました。
- 「月々紅花(げつげつこうか)」…チェロキーローズ。難波薔薇(ナニワイバラ)としても知られています。
- 「銀月」…シルバームーン。白色の花弁に中央が黄色をしている大輪の花を咲かせます。
- 「東美人」…アリャンス フランコリュス。中心部の花弁が内側に巻くように咲く、美しい品種です。
- 「千美人」…タウゼントシェーン。カップ咲きのつるバラです。